犬のマダニ付着⁈ 〜症状と感染症の危険性と予防、対策〜

2026-06-05

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愛犬との楽しいお散歩やお庭遊び🎵

しかし、飼い主さんがどんなに気をつけていても、気づかないうちに、愛犬にマダニがついてしまう危険性は常に潜んでいます。


マダニに咬まれると、皮膚炎や強い痒みだけでなく、命に関わる恐ろしい感染症を引き起こす可能性もあります。

大切な愛犬を守るため、マダニがつく前に対策を徹底したいですよね。


今回は、犬の健康を脅かす「マダニ」に焦点を当て、その生態から症状、安全な取り方、そして効果的な予防・対策方法までを詳しく解説します。



目次 

1.犬に寄生する「マダニ」とは?また、その特徴は?

2.マダニはどこにいる?寄生の方法は?

3.マダニが犬に付きやすい場所は?

4.犬のマダニ、症状は?併発する病気は?

5.マダニは犬から人にも感染する?

6.犬にマダニ付着!?実際にどうしたらいいの?

7.犬のマダニ対策は?

8.犬のマダニ、早期発見・早期治療が重要!




1.犬に寄生する「マダニ」とは?また、その特徴は?


マダニの主な特徴

動物の血を吸う(吸血性)
家庭内のダニよりサイズが大きい
犬の顔、耳、お尻周りなどに寄生しやすい
春から秋(特に5月~9月)に活動が活発化する


一般的に家庭のホコリなどに潜む「チリダニ」や「ツメダニ」は人を刺すことはあっても血は吸いません。

しかし、犬の散歩中などに屋外で寄生するダニの多くは「マダニ」という種類で、皮膚に咬みついて固着し、数日間にわたって吸血し続けます。


犬への寄生が報告される主なマダニには、「ツリガネチマダニ」「クリイロコイタマダニ」「フタトゲチマダニ」「キチマダニ」などがいます。

成虫の大きさは未吸血時でも3~4mm程度と、家庭内のダニに比べて肉眼で確認できるほど大きいのが特徴です。

特に、犬の顔まわり、耳、足の付け根やお尻の周りなど、被毛が薄く皮膚が柔らかい場所に寄生する傾向があります。

マダニは一度取り付くと、セメントのような物質を分泌して皮膚に口器を固着させ、数時間から長い場合は10日以上も吸血を続けます。

この吸血の際に、マダニが保有するウイルスや細菌といった病原体が犬の体内へ侵入し、深刻な感染症を引き起こす原因となるのです。

マダニの活動は5月~9月がピークですが、近年は冬でも温暖な日があり、ほぼ一年中活動しているため、季節を問わず対策が必要です。




2.マダニはどこにいる?寄生の方法は?


マダニの主な生息場所

公園の草むらや植え込み
河川敷の茂み
あぜ道
ハイキングコースや山林


マダニは、公園、河川敷、あぜ道、山林といった自然豊かな場所に多く生息しています。特に、笹やぶや草むらなど、葉の裏側に潜んでいることが多く、身近な散歩コースにも危険は潜んでいます。

マダニは、動物が排出する二酸化炭素の匂いや体温、振動、体臭などを感知すると、葉の先で待ち構え、犬や人が通りかかる瞬間に飛び移ってきます。

木の上から落ちてくるというよりは、足元の草から這い上がってくるケースが多いです。犬だけでなく人の衣服にも付着するため、飼い主さんも注意が必要です。

ワンポイントアドバイス

植物が多い公園や森などに散歩に行った際に付着していることが多くあります。人では森林に入る際には長袖長ズボンで予防できますがわんちゃんはできませんので植物が多いところに行く際には気を付けた方がいいでしょう。



3.マダニが犬に付きやすい場所は?


マダニは、犬の体のなかでも比較的被毛が少なく、皮膚が薄くて柔らかい場所を好んで吸血します。


愛犬の体をチェックする際は、以下の場所を特に念入りに確認しましょう。


これらの場所にマダニが長時間寄生・吸血すると、後述する「バベシア症」などのマダニ媒介性疾患に感染するリスクが高まるため、散歩後のチェックと早期発見・除去が非常に重要です。




4.犬のマダニ、症状は?併発する病気は?


マダニによる直接的な症状

貧血
アレルギー性皮膚炎
ダニ麻痺症


マダニが媒介する主な病気

バベシア症

SFTS
日本紅斑症
ライム病
Q熱
エールリヒア症


1)マダニによる直接的な症状

マダニが犬に寄生すると、吸血による直接的な害や、唾液成分によるアレルギー反応などが起こります。


①貧血

マダニは自身の体重の100倍以上もの血液を吸うことができます。

多数のマダニに一度に寄生された場合や、子犬・老犬が寄生された場合には、重度の貧血を引き起こし、命に関わることがあります。


②アレルギー性皮膚炎

マダニが吸血する際に唾液を注入しますが、この唾液成分がアレルゲンとなり、強いかゆみや赤み、腫れといったアレルギー性皮膚炎を引き起こすことがあります。


③ダニ麻痺症

一部のマダニの唾液には神経毒が含まれており、吸血されることで足のふらつきなどの運動失調から始まり、進行すると呼吸筋の麻痺などを引き起こす「ダニ麻痺症」を発症することがあります。



2)マダニで併発する病気(マダニ媒介性感染症)

マダニの最も恐ろしい点は、病原体を媒介することです。

犬がマダニ媒介性感染症にかかると、発熱や食欲不振、元気消失といった症状が見られます。


①バベシア症

バベシアという原虫が赤血球に寄生して破壊する、死に至ることもある非常に危険な感染症です。

急性の場合は40℃を超える高熱、重度の貧血、黄疸、血尿などの症状が現れます。一度感染すると体内から完全に原虫を駆除することは困難とされています。


②SFTS (重症熱性血小板減少症候群:Severe Fever with

Thrombocytopenia Syndrome)

マダニによって媒介されるウイルス感染症です。

犬の症状は、発熱、食欲不振、元気消失、消化器症状(下痢、嘔吐、腹痛)の軽症例から黄疸、出血傾向、神経症状、多臓器不全を起こす場合も少ないですがあります。

上記のように、犬では不顕性感染や軽傷例が多いですが、人もかかる人獣共通感染症であり、特に猫や人では致死率が高い疾患です。

特に西日本を中心に発生していますが、近年は全国的にも広がり始めています。

季節性があり、マダニが活発になる夏に多いですが、年中発生しています。

特に4~10月は注意が必要です。


③日本紅斑症

リケッチアという細菌による感染症で、春から秋にかけて西日本を中心に発生します。

高熱、発疹、倦怠感などが主な症状で、治療が遅れると重症化する危険があります。


④ライム病

ボレリア菌によって引き起こされる人獣共通感染症です。犬では発症することは稀ですが、発熱や食欲不振、関節の痛みによる跛行(びっこをひく)などの症状が見られることがあります。


⑤Q熱

コクシエラ菌による人獣共通感染症で、感染した動物の尿や糞、乳汁などから人にも感染する可能性があります。

犬では感染しても症状が出ない不顕性感染が多いですが、キャリアとなった犬の尿などから人に感染するリスクがあるため注意が必要です。


⑥エールリヒア症

リケッチアの一種であるエールリヒア属の細菌による感染症です。急性期には発熱、リンパ節の腫れ、鼻血などの出血傾向が見られ、慢性化すると重篤な貧血や血球減少症を引き起こします。

ワンポイントアドバイス

人獣共通感染症とは、人とその動物に共通して感染する感染症です。有名どころでは狂犬病がありますが、わんちゃん、ねこちゃんから移る病気は様々あるので気を付けましょう。



5.マダニは犬から人にも感染する?


⚠️人が特に注意すべきマダニ媒介性疾患

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)


犬に付着したマダニは、人にも害をもたらすため、飼い主さんも油断できません。

人がマダニに咬まれた場合も、犬と同様に皮膚の腫れや痒みだけでなく、重篤な感染症にかかる可能性があります。

前述しましたが、人が特に注意すべきなのが「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」です。

SFTSウイルスによって引き起こされる感染症で、発熱、嘔吐、下痢などの症状が現れ、致死率は10~30%と非常に高いことが知られています。

日本では西日本を中心に感染が報告されていましたが、近年その感染確認地域は拡大傾向にあります。

2017年には、SFTSに感染した犬から人に感染したとみられる世界初の事例も報告されており、愛犬のマダニ対策は、飼い主さん自身の命を守るためにも極めて重要です。

SFTSには有効なワクチンや治療薬がないため、マダニに咬まれないための予防が最大の防御策となります。

ワンポイントアドバイス


地球温暖化も進み、マダニの生息地が拡大していることも感染地域の拡大の要因となっている可能性が高くあります。主に寒い地域ではあまり見られませんが、今後温暖化が進むと寒い地域でもマダニを見られることがあるかもしれません。普段から電気の節約などを行ってマダニが増えないようにしていくことも大切です。




6.犬にマダニ付着!?実際にどうしたらいいの?


マダニを発見した際の正しい対処法

・絶対に手で潰したり、無理に引っ張らない
・動物病院で安全に除去してもらうのが最善
・どうしても自分で取る場合は専用の器具を使う(⚠️非推奨)


愛犬の体にマダニが食いついているのを発見しても、絶対に慌てて指で取ったり、潰したりしないでください。

吸血中のマダニは、口器をセメント様の物質で皮膚にがっちり固定しています。

無理に引っ張ると、マダニの胴体だけがちぎれて口器が皮膚の中に残り、そこから化膿したり、肉芽腫を形成したりする原因になります。

また、マダニを潰すと、体内の病原体を犬や人の体にまき散らしてしまう危険性があります。

犬の体にマダニを見つけたら、何もせず、そのままの状態で速やかに動物病院を受診するのが最も安全で確実な方法です。

獣医師が専用の器具(マダニ除去ツイーザーなど)を使って、安全に取り除いてくれます。

万が一、飼い主さん自身がマダニに刺されてしまった場合も、自分で取らずにすぐに皮膚科を受診してください。

ワンポイントアドバイス

マダニは取らずに早急に動物病院へ行くことをおすすめします。また、自身にも付着していないか十分に気を付けることが重要です。




7.犬のマダニ対策は?


今日からできるマダニ対策

定期的に駆除薬を投与する(⭐️最重要)

マダニが多く潜む草むらを避ける
散歩後にブラッシングと身体チェックを行う
虫除けスプレーやグッズを活用する
家にマダニを持ち込まない工夫をする


残念ながら、マダニの寄生を100%防ぐ特効薬はありません。しかし、複数の対策を組み合わせることで、リスクを大幅に減らすことができます。


⭐️定期的な駆除薬の投与

最も効果的で重要な対策が、動物病院で処方されるマダニ駆除薬の定期的投与です。

首筋に垂らすスポットタイプや、おやつ感覚で与えられる経口タイプ(チュアブル)、病院で打ってもらう注射タイプなどがあります。

これらの薬は、マダニが吸血するとその成分によってマダニを駆除する効果があり、感染症が成立する前にマダニを死滅させることが期待できます。


・マダニの生息場所を避ける

散歩の際は、マダニが多く潜んでいそうな深い草むらや茂みにはなるべく立ち入らないようにしましょう。

整備された散歩コースを選ぶだけでもリスクは低減します。


・散歩後のブラッシングと身体チェック

散歩から帰ったら、玄関先で犬の体をブラッシングし、体に付着したマダニを払い落としましょう。

その後、特にマダニが付きやすい耳、顔周り、足の付け根、指の間などを念入りに触ってチェックする習慣をつけてください。吸血前のマダニなら、簡単に見つけて取り除けます。


・虫除けスプレーやグッズの活用

犬用のマダニ忌避効果のある虫除けスプレーを散歩前に使用するのも有効です。

また、室内のダニ対策として、ダニ捕りシートなどを活用するのも良いでしょう。


・室内への持ち込み防止と環境整備

散歩で着ていた飼い主さんの上着やズボン、靴などは玄関で払い、すぐに洗濯するなど、室内にマダニを持ち込まない工夫も大切です。

庭の草刈りを定期的に行い、マダニが住みにくい環境を整えることも対策につながります。

ワンポイントアドバイス

マダニはペットにも人にも付着するため大変危険です。付着される前に駆虫薬などを利用して予防をすることが重要です。


8.犬のマダニ、早期発見・早期治療が重要!


どんなに万全な対策をしていても、犬にマダニがついてしまう可能性をゼロにすることはできません。

だからこそ、マダニの寄生をいち早く発見し、適切に対処する「早期発見・早期対応」が、皮膚炎の悪化や命に関わる感染症から愛犬を守る鍵となります。

日々のブラッシングやスキンシップの時間を、大切なボディチェックの時間にしましょう。

頭や耳、お腹や背中、足先や指の間まで、優しく撫でながら「黒いゴマのようなもの」「小さなイボのようなもの」がないか確認する習慣が、愛犬の健康を守ります。

マダニから犬と飼い主さん自身を守るために、正しい知識を身につけ、「予防・早期発見・動物病院へ相談」を徹底し、安全で快適な毎日を送ってくださいね。

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