歯科シリーズ❷ 犬の歯周病、放置は危険!症状・治療法・費用・予防法を徹底解説

2026-06-12

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「犬は人間より虫歯になりにくい」と聞いたことはありませんか?

人の口内は弱アルカリ性ですが、犬の口内はアルカリ性であり、虫歯菌が繁殖しにくい環境です。

その一方で3歳以上の犬の約8割が歯周病にかかっているといわれ、犬にとって非常に身近で恐ろしい病気です。

進行すると強い痛みだけでなく、歯が抜け落ちたり、顎の骨が溶けたり、さらには全身の病気に繋がることもあります。

今回は、愛犬を歯周病から守るために飼い主さんが知っておくべき、歯周病の症状、原因、治療法、費用、そして最も重要な予防策について、網羅的に解説します。




目次 (犬の歯周病)

1.歯周病は、歯肉炎から歯周炎へ進行する病気

2.主な原因は「歯垢」と「歯石」

3.犬の歯周病を放置するリスクは?

4.治療方法

5.検査や治療にかかる費用は?内訳と目安を解説

6.処方される薬の種類と注意点

7.愛犬を歯周病から守る!今日からできる4つの予防・対策法

8.愛犬の健康のために毎日のデンタルケアを




1.歯周病は、歯肉炎から歯周炎へ進行する病気

犬の歯周病は、歯を支える組織(歯周組織)に炎症が起きる病気の総称で、進行度によって「歯肉炎」と「歯周炎」の2段階に大きく分けられます。


①歯肉炎(歯周病の初期段階)

歯垢(プラーク)が原因で、歯茎(歯肉)にのみ炎症が起きている状態です。

この段階であれば、適切なデンタルケアで健康な状態に戻せる可能性があります。


②歯周炎(進行した歯周病)

歯肉炎が悪化し、炎症が歯を支える歯槽骨や歯根膜にまで広がった状態です。

一度破壊された組織は元に戻すのが難しく、重度になると歯がグラグラになったり、抜け落ちたりします。

一般的に「歯槽膿漏」と呼ばれるのは、この重度の歯周炎の状態を指します。


【レベル別】犬の歯周病の症状チェックリスト

歯周病は、初期段階では気づきにくい病気です。以下の症状が見られたら、歯周病のサインかもしれません。愛犬の口内をチェックしてみましょう。


1)初期症状(軽度の歯肉炎)

  • 歯茎に赤みがある
  • 口臭が少し気になる
  • 歯の表面がザラザラしている(歯垢の付着)


2)中期の症状(歯周炎へ進行)

  • 口臭が強くなる(ドブのような臭い)
  • 歯茎が腫れ、出血しやすくなる(歯磨き時など)
  • 硬いおもちゃやフードを避けるようになる
  • よだれが増える、よだれに血が混じる


3)末期の症状(重度の歯周炎)

  • 歯がグラグラしている、または抜けている
  • 歯の根元から膿が出ている
  • 顔(特に目の下や顎)が腫れる
  • くしゃみや鼻水、鼻血が出る(炎症が鼻腔に達した場合)
  • 強い痛みで食事がとれない、口周りを触られるのを極端に嫌がる



2.主な原因は「歯垢」と「歯石」

犬の歯周病の最大の原因は「歯垢(プラーク)」です。

歯垢は、食べカスを栄養源として細菌が繁殖した、白くネバネバした塊です。この歯垢に含まれる細菌が出す毒素によって、歯茎に炎症が起こります(歯肉炎)。

犬の口内はアルカリ性のため、歯垢が石灰化しやすく、わずか2~3日で歯石に変わります。歯石の表面はザラザラしているため、さらに歯垢が付着しやすくなり、歯周病をどんどん悪化させる悪循環に陥ります。


その他、以下のような要因も歯周病のリスクを高めます。

・口内の傷:硬すぎるおもちゃなどで口の中に傷ができると、そこから細菌が侵入し炎症を起こすことがあります。

・老化:年齢とともに免疫力が低下したり、歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)が深くなったりするため、歯周病になりやすくなります。

・遺伝的要因:小型犬や短頭種は、顎が小さく歯が密集しているため、歯垢が溜まりやすく歯周病になりやすい傾向があります。



3.犬の歯周病を放置するリスクは?

歯周病は口の中だけの問題ではありません。歯周病原因菌が炎症を起こした歯茎の血管から体内に入り込み、血流に乗って全身に運ばれることで、以下の様々な病気を引き起こす可能性があります。


愛犬の健康寿命を延ばすためにも、歯周病は早期発見・早期治療と予防が非常に重要です。



4.治療方法

歯周病の治療は、その進行度によって異なりますが、原因である歯垢と歯石を徹底的に除去することが基本となります。


・歯垢・歯石の除去(スケーリング)

動物病院では、全身麻酔をかけた上で、スケーラーという専用の器具を使って歯の表面や歯周ポケットの中の歯垢・歯石を丁寧に取り除きます。


 ・なぜ全身麻酔が必要?

歯周病の治療には、歯周ポケットの奥深くなど、犬が起きている状態では処置できない部分の歯石除去が不可欠です。

また、処置中に犬が動くと、器具で口の中を傷つける危険があります。安全で確実な治療を行うために、全身麻酔は必須です。
※近年見られる「無麻酔での歯石除去」は、表面的な歯石しか取れず、根本的な治療にはなりません。アメリカ獣医歯科学会もその危険性を指摘しています。⚠️無麻酔は違法です


・重度の歯周炎の場合

歯周炎が進行し、歯を支える骨が大きく溶けてしまっている場合は、原因となっている歯を抜く「抜歯」が必要になることもあります。



5.検査や治療にかかる費用は?内訳と目安を解説

歯周病の治療費は、犬の大きさ、歯周病の重症度、抜歯の本数、病院の設備などによって大きく変動します。


【費用の主な内訳】


治療費は高額になる可能性があるため、ペット保険への加入も検討しておくと安心です。



6.処方される薬の種類と注意点

歯周病の治療では、口腔内の細菌を抑えたり、炎症を和らげたりするために、以下のような薬が処方されることがあります。



薬には副作用のリスクも伴います。投薬後に嘔吐、下痢、食欲不振などの変化が見られた場合は、速やかに獣医師に相談してください。



7.愛犬を歯周病から守る!今日からできる4つの予防・対策法

歯周病の治療には大きな負担がかかります。最も大切なのは、歯周病にさせないための日々の予防です。


① 毎日の歯磨き

歯周病予防において、最も効果的で重要なのが「歯磨き」です。歯垢は2〜3日で歯石に変わってしまうため、毎日(1日おき)続けることが理想です。

犬用の歯ブラシと歯磨き粉を使い、歯と歯茎の境目を優しく磨いてあげましょう。

最初から完璧を目指さず、まずは口に触られることに慣れさせることから始め、少しずつステップアップしていくことが成功の秘訣です。


② デンタルケアグッズの活用

歯磨きがどうしても苦手な子には、補助的にデンタルケアグッズを活用するのも良い方法です。


・歯磨きガム・おやつ: 噛むことで歯垢を除去する効果が期待できます。

・デンタルケア用おもちゃ: 遊びながら歯の表面をこすり、歯垢を付きにくくします。

・飲み水に混ぜるタイプやフードにかけるタイプ: 口内環境を整える効果が期待できます。


ただし、これらはあくまで歯磨きの補助です。可能であれば歯磨きと併用しましょう。


③食生活の見直し

ウェットフードよりも、粒が硬めのドライフードの方が、噛むことで歯の表面の歯垢が落ちやすく、歯周病予防には効果的とされています。

ウェットフードは柔らかく、歯の間に食べカスが残りやすいため、与えた後は特に念入りなケアが必要です。


④ 動物病院での定期的な歯科検診

症状がなくても、半年に1回~1年に1回は動物病院で口の中の状態をチェックしてもらいましょう。

病気の早期発見につながり、結果的に愛犬の負担も治療費も少なく済みます。



8.愛犬の健康のために毎日のデンタルケアを

歯周病は、ほぼすべての犬がかかる可能性のある病気ですが、飼い主さんの日々のケアで十分に予防できる病気でもあります。


まとめ


大切な愛犬がいつまでも美味しくごはんを食べ、健康で長生きできるよう、今日からデンタルケアを始めましょう!

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