猫の予防【後編】猫のワクチンについて(副作用と豆知識💡)

2025-12-06

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・ワクチンの副作用も知っておこう💉

ワクチンには前編、中編に示したように、大きなメリットがある一方で、

副作用が起こる可能性も考えなくてはなりません。


副作用は大きく分けて即時型反応遅発型反応があり、

それぞれ発症時期や重症度が異なります。







国内事情:なぜ「毎年1回」が基本なのか?


日本では犬と違い、猫のワクチン接種に法的義務はありません。

接種間隔の目安はすべて「ワクチンの添付文書」に基づいており、

多くの製品には「初年度接種後は毎年1回」と記されています。

そのため、動物病院で「年1回の接種が基本」と案内されるのが一般的です。


一方、国際的なガイドラインでは

「健康で完全室内飼育の猫なら3年ごとで十分」という科学的根拠があります。

つまり、日本の制度と国際的な科学的知見の間には隔たりがあるのです。


飼い主様の中には、

「毎年本当に必要なのか」「副作用が心配」

という不安を持つ方も少なくありません。


現場では、そうした声に応えるために抗体検査を取り入れたり、

生活環境に合わせて接種間隔を調整したりする工夫がなされています。


完全室内飼育の猫では、

獣医師の説明と飼い主の同意を前提に、3年ごととするケースも見られます。

一方で、外に出る猫や多頭飼育環境では感染リスクが高いため、

年1回の接種を続ける方が安心です。


さらに、日本独自の事情として、

ペットホテルや動物病院では「1年以内の接種証明」

を求められることが多い点があります。


たとえ科学的には3年で十分であっても、

施設利用を考えると毎年接種しておいた方が無難な場合もあるのです。


結局のところ、

日本での現実的な落としどころは

「基本は毎年。ただし完全室内で低リスクの猫では、飼い主が理解したうえで3年ごとに延ばすことも可能」

という形です。


ワクチネーションプランは一律に決まるものではなく、

猫の生活環境、健康状態、そして飼い主の思いを大切にしながら、

かかりつけ獣医師と一緒に組み立てていくものなのです。



完全室内飼育と感染リスク

「うちの猫は完全室内飼いだから、ワクチンは必要ないのでは?」

これは飼い主からよく寄せられる質問です。

確かに、外に出る猫と比べれば感染のリスクは大きく下がります。

しかし、「ゼロになるわけではない」という点には注意が必要です。


猫汎白血球減少症(FPV)は、環境中で非常に強いウイルスで、

人や物を介して家庭内に持ち込まれることがあります。

靴底や衣類に付着して運ばれることもあるため、

完全室内飼育でも理論的には感染の可能性が残ります。

実際、外猫との接触がない家庭でも、

室内猫がFPVに感染した事例は報告されています。


一方で、猫ヘルペスウイルス(FHV)や猫カリシウイルス(FCV)、

猫白血病ウイルス(FeLV)、猫免疫不全ウイルス(FIV)、

そしてクラミジア(Chlamydia felis)は、

主に猫同士の直接的な接触で広がる病気です。


したがって、単独で完全室内飼育されている猫では、

これらの感染症にかかるリスクはほとんどありません。

とはいえ、暮らしの中でリスクが“ゼロ”になることはありません。

里親として新しい猫を迎えるとき、ペットホテルに預けるとき、

病院で他の猫と接触するとき──不意に感染のチャンスは生じます。


そのため、国際的なガイドラインでは

「完全室内猫であっても、FPV/FHV/FCVのコアワクチンによる基礎免疫は必須」と強調されています。

そのうえで、成猫になった後の追加接種の頻度については、

環境や生活スタイルに応じて調整すればよいとされています。


つまり、完全室内飼育は猫を多くの病気から守る大きな武器になりますが、

ワクチン接種を全く不要にするわけではありません。


最も現実的なのは、「基礎免疫は必ず行い、その後は生活環境を踏まえて接種間隔を見直す」という考え方です。



まとめ

日本における猫のワクチン接種は、

添付文書の記載に基づいて「毎年1回」が基本とされています。


一方で、国際的なガイドラインでは、

完全室内で低リスクの猫であれば「3年ごとでもよい」

とする見解も示されています。


しかし、この考え方が単独で広まってしまうと誤解を招き、

「すべての猫に当てはまる」と思われがちです。


また、「完全室内だから安全」というのも正しくはありません。


猫汎白血球減少症(FPV)のように、

環境中で長く生き延びるウイルスは、

人や物を介して室内に持ち込まれる可能性があります。


そのため、完全室内飼育であっても基礎免疫は欠かせません。


もちろん、ワクチンには副作用のリスクもあります。

ほとんどは軽度で一過性ですが、

稀に深刻なものが起こることもあります。

だからこそ、必要以上に怖がるのではなく、

リスクを正しく理解し、冷静に判断することが大切です。


最終的に最適な接種プランは一律に決められるものではありません。

愛猫の生活環境や健康状態、そして飼い主の思いを考慮しながら、

かかりつけの獣医師と相談して決めていくことが、

何よりも安全で確実な方法なのです。



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